アンジェロ・フィギュスの卒展が10年前という事実に驚愕


行ってきましたアントワープ・ファッション展。結論は2つで、まず展示が信じられない程内容うっすいです。それは私の好みがここから全く動いていないというところや、アントワープ・ファッションの歴史(アーカイヴ)が浅いというところにも起因することなのかもしれないんだけど、普通に点数少なくね?ティルマンス展のときはオペラシティ広いなーと思ったもんですけどね。
それから、よく考えたらこのタイミングでアントワープ・ファッションをフィーチャーしていることの意味って何だろう?ってのが全然わからない、ということ。今年が「日本におけるベルギー年」みたいなことなんですか?例えば。別にマルジェラが盛り上がっているわけでもないだろうし、ヨウジやギャルソンがどーにかなってるわけでもないだろうし、え?どしたの?みたいな。

まぁそんな感じで。

私はアントワープに凄く思い入れがあるから、やっぱり期待しちゃいますよね。こんな内容でやるなーー!!!みたいに思ってしまう。だって数点の服と、過去のコレクションを抜粋した映像が何点かで終了ですよ?全然、デザイナーたち(や王立アカデミーのみなさんとか)の協力があってのエキシビジョンと思えない。アントワープ知らない人が「書いてみた」卒論読んでるみたいでした。トークショーもしかりで、まぁ栗野さんはさすがだなと思いましたが……。

退屈。でした。

あと、ほんとにたぶん情報量が少ないからだと思うんだけど「アントワープ・シックスとそれ以外」みたいな括りになってるのが非常に気になりました。第二世代というか、ヴェロニク、ユルギ、A.F.、W&LTみたいな世代と、クリス・ヴァン・アッシュとかブルーノ・ピータースなんかをまとめないでくれる?と思ってしまう。

ただ自分のアントワープ熱というか、ああ私やっぱりこれが好きなんだなって自覚させられたことは確かで、ヴェロニクのファーストコレクションとか、A.F.の「寝たままの形の服」の映像が見れたりだとか、そういうのは単純に嬉しかったです。あと昔のラフ・シモンズとかね。ラフはすっかりおっさんになって、ジル・サンダーで再評価?されているけれども、実際エディ・スリマンより功績あるんじゃないのか?今日びの男性像みたいなのの構築にあたり。
個人的にはラフ&ヴェロニクのカップルってだいすきだったけど。
そう、ラフはゲイじゃないってところもいいです。(もちろんゲイが嫌いとかいう話ではないです、好きなひとはいっぱいいる)

私がヨーゼフ・ボイス好きなのもこの人たちによるところが大きいですから。
何かトークショーで「アントワープのコンセプチュアルなところが日本人にフィットした」とかいう話題になっていた割に、そういう背景、例えばA.F.のヨーゼフ・ボイスとか、アンのパティ・スミスとか、ヴェロニクの少女性+ゴシック(NW)とか、そういうところに一切触れていないってのはほんとに信じられない。
あとはもちろんインゲ・グロナールとか、それからアトリエ11やウッタース&ヘンドリクスとか、服以外の人たちを取り上げてほしかった。
帰り成城石井で、弔いの意味を込めてコートドールのチョコを思わず購入。



しかしこの本がほんとうに欲しい。今なら1万くらい平気で出します。